「幽遊白書」という漫画の大ファンです。
20年くらい前に週刊少年ジャンプで連載されていた漫画で、当時は大変人気でした。
キャラクターが大変魅力的ですが、飛影と躯というキャラが特に好きです。
二人とも妖怪です。飛影はご存知の方も多いのでは、と思いますが、躯はあまり 知られていないでしょうか。妖怪が住む「魔界」において、三大勢力の1人として 恐れられた強者で、飛影は躯率いる躯軍の筆頭戦士です。
躯は普段、顔を包帯の ような布で覆って隠していて、その正体を知る者はごく僅かでしたが、包帯の下の 素顔は、大変美しい女性です。ただ、右半身は酷く爛れ、体の一部は機械化して いて、美しい左半身との対比も相まって凄惨な容姿をしています。
飛影も躯も、大変辛い人生を強いられたキャラクターです。飛影は「氷女」と いう、百年に一度の分裂期に単体で女児を成して子孫を残す妖怪が、禁を犯して 男性と関係を持った場合にのみ産まれる男児、即ち禁忌の子として産まれました。 男児を成した氷女は例外なく死に至り、飛影は、長老の命によって、母の親友の 手で空高い氷女の国から下界に放られました。
躯は、美しい容姿で産まれるには不運だったとしか言いようがない環境で産まれ 、束縛された生活を強いられていました。誕生日に、自ら酸を被って醜くなる ことで自由を得ましたが、平穏とは無縁の心理状態は、無力な少女でしかなかった 彼女を、三大勢力にまで登り詰めさせます。
運命的な縁を得て、この二人が出会うのですが、個人的に、本当に理想の関係 です。躯の一人称は「オレ」で、本人自体男の様に振る舞っていますが、本当は 女性らしい女性なんですね。
年に一度、誕生日の時期になると情緒不安定になって しまうのですが、周りは避けて通る時期でも、本当の彼女が分かっているから、 飛影は放っておけない。順番が逆になりましたが、躯は躯で、目的が無いなら 死ねばいい、くらいにしか己の人生のことを考えられず、死に掛かってしまった 飛影に、「生きろ飛影。
お前はまだ死に方を求める程強くない」と呼び掛けた こともありました。二人とも辛い人生を送ってきましたが、互いに深く思い合える 存在なのだと思います。
人(妖怪)としても、男女としても、本当に素敵な関係だと思います。
まだ読んだことのない方にも、是非読んでみて頂きたいです。